[Review] スキャナー・ダークリー(2006/米)
2007年 06月 11日
スキャナー・ダークリー
/ ワーナー・ホーム・ビデオ
スコア選択: ★★★★
劇場で見たかったのに見れなかった『スキャナー・ダークリー』。気が付けばDVD化されていたので、即購入してしまいました。
この映画、内容の詳細はさておき、ドラッグムービーです。原作者であるP.K.ディックが嫁さんに捨てられ、ドラッグにおぼれ、同じようにドラッグにおぼれている若者達との過ごした日々をベースに描かれた決して明るくない作品です。
原作はそのディックの同じ空間を過ごし、様々な状態に陥ってしまった仲間達への追悼という意味合いが強く、ディックの彼らに対する愛情溢れた作品です。そして、この映画には同じようにディックに対するリスペクトを感じます。実際、映画のエンドロールではディックが仲間達に宛て、読者に宛てたメッセージがそのまま引用されています。そして、この映画も原作を可能な限り忠実に再現しています。
ディックの話にばかりなってしまいますが、実は登場人物の1人であるチャールズ・フレック(ロリー・コクレイン)が自殺する場面でラジオから流れるナレーションはディック本人による『暗闇のスキャナー』の朗読だそうです。肉声聞いたの初めてかも。
この映画のウリとなっている「ロトスコープ」と言われるアニメーション化の技法がこの作品にぴったりと合っていて、雰囲気を高めてくれます。それにしてもキアヌ・リーブスをはじめ、これだけの役者をそろえておきながら、アニメーション化してしまう、という贅沢。それをさせるまでこの方法で世界観を表現したかったのも、観てみると納得です。
それにしてもUSサイトには本作品のキーワードとなっている「青い花」の壁紙があるのに、なんで日本サイトにはないんだろ?
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